2012年5月31日木曜日

コクリコ坂から

旧1号編における不明だったロケ地の一つ「ダミーの墓」について再検証してみた。

当初、映像から得られる情報から港近くの高台にあり、海寄りには公団か社宅のような屋上に給水タンクを持った団地が数棟あり、岸壁には赤く塗られたガントレーが数基存在する。
また、直下には赤や緑の屋根の民家が見える。
別カットでは遠くに煙突が煙を吐いているのが確認できる。
これらの情報とメインロケ地が横須賀の猿島である事から横須賀周辺の高台ではないかと何度か該当エリアに足を運んだが全て空振りであった。

また、煙突といえばロケ頻度の高い川崎の生田周辺だと王禅寺のゴミ処理場が該当し、そのカットのみ生田で撮られたのではないかと推測していたが映像では煙突が複数存在し(王禅寺は1本。最近もう一基増えた。)、これも不明となる要素となっていた。


昨年、ライダーカードの権威にして関連書籍をいくつか執筆されている堤氏より平山プロデューサーの所有している当時の資料の中に、この「ダミーの墓」に関して「ワシン坂」という記述を目にしたことがあるという情報をいただいた。
調べるとこのワシン坂というのは横浜の港の見える丘公園のはずれにあり、ジブリ作品「コクリコ坂から」のモデルの一つだと言われている場所である。

昭和52年撮影の航空写真で見るとワシン坂のある赤丸の中で条件の当てはまる場所には建物が建ってしまっている。が、港寄りの現在は残っていない団地、ガントレー、映像に見られる赤や緑色の屋根の民家など条件は当てはまる。

しかし、煙突の存在や土地の起伏までは判らないので現地に行ってみた。
ワシン坂からの眺め。手前に民家が密集しその先にガントレーの有る港はあるがもはやマンションの隙間からしか確認できない。
坂の途中だと映像から見る角度より少し低く、坂の上に建つ某化粧品会社の研修施設辺り(先ほどの赤丸)からの眺めからだと一致しそうだ。

位置を変え煙突を探してみる。
コクリコ坂のある小高い丘を港(東側)と反対側の西側が見える位置まで移動してみた。

赤丸内に煙突が見えるのが判るだろうか。
ちょうどタケヒコ少年が戦闘員に追われるシーンと同じような配置で煙突が2箇所確認できる。
当初、ゴミ処理施設や火力発電所の類かと思っていたが本牧方面の高台越しに新日本石油精製根岸製油所の煙突が覗いて見えていた。

これらのことからやはり劇中2度登場する「ダミーの墓」のシークエンスはここ、横浜のワシン坂で撮られたんではないだろうか。

宅地の合間に当時の雰囲気を残す場所があったのでそれとなく合わせてた。
撮影された場所と少しずれるため地形の参照までに。二本建つ煙突の中央よりのほうが当時の形状のままのような気がする。



5 件のコメント:

  1. すごいです!!!
    待ってました☆

    返信削除
    返信
    1. お待たせしております(笑)
      不定期ながら続けていきますので気長にお付き合いください。

      削除
  2. おぉー 
    ついに発見しましたか。
    ワシン坂ってどれ位の丘なのでしょうか。何m位の丘でしょうか。
    航空写真では全部平地にしか見えないもので、しかし撮影当時の
    面影があまりないくらい発展していますね。
    私からすれば撮影当時、昭和時代の自然環境がいいぐらいな感じ
    なのですが、あまり近代化っていうのも何だかなぁ

    返信削除
    返信
    1. ご無沙汰しております。
      この丘は本文にも書いたように港の見える丘の外れで高級住宅地と港との境目なんですが、恐らく撮影のあった場所だけギリギリ空き地だったんでしょうね。
      取材時も立地柄、散策される方が多くいらっしゃいました。
      写真だと伝わりにくいんですがなんとなく面影がありますよ。

      削除
  3. ほんとに、あの頃はよかった!!
    草や木の香り、赤い土にまぎれて遊んだ時の土の香り
    あの頃に帰りたいもんです。無邪気に遊んでいた頃に
    仮面ライダーの原型のバッタを捕まえてバッタの顔を
    見てライダーと、どう似ているのか検証したり
    たまには、焼いて食べました。香ばしくておいしかった(笑)
    今はバッタもあまり見かけないですね。大人になって関心が
    なくなったからなのか?
    yart先生はどうですか。昭和時代がいいですか。

    返信削除

情報内容の正確さを求める為に記事の差し替え、追記等を行う場合があります。

自己紹介

自分の写真
仮面ライダーの全てのロケ地を自分の目で見る旅の途中です。 当ブログは元の作品の権利、肖像権を侵害する物では無く、作品を120%楽しむ為の一つの手引きとして筆者の研究調査成果を提示するために一部"引用"として元映像を使用させていただきました。作品の権利は東映株式会社様にあります。