サボテグロンのアジトはウルトラマン第20話「恐怖のルート87」に登場するヒドラの像で有名な伊豆シャボテン公園が使われているのだがそこへの潜入シーンや14話~15話またぎのライダーとサボテグロンの2戦目はおなじみタマサーキットが使われた。
潜入シーンは恐らくコースの東側のスペースでの撮影かと思われるが、確定出来る要素が少ないので雰囲気の近い写真を並べたがあながちズレてはいないと思う。
2号とサボテグロンの背後に見える小屋のようなものは川崎市水道局の施設で、比較写真でお判りのように現存しており、この場所を人類史上初めて"変身ポーズ"をとった地として後世に遺す為のモニュメントとして川崎市が保存する事を決定した(嘘)。
ここでダートコースの呼称についてお断りしたい。
今年になって私とEROOYAJI氏との新年の挨拶を兼ねた情報交換メールのやり取りでロケに使われたダートコースについて新しい見解が浮かんできた。
先のブログでこの日大グラウンドの場所に以前あったダートコースをトミナガオートランドと呼ばせていただく、と断ったがここはやはり「タマサーキット」というのが正解なのだろう。
過去に出回った仮面ライダーのロケ地について言及している書籍を辿ると大きく2つのモトクロスコースが紹介されている。
この日大グラウンドにあったコースとよみうりランド近く南山山中にあったコースだ。
1992年バンダイ刊行エンターテイメントバイブル”仮面ライダー大図鑑⑤”では稲城市坂浜にあった”よみうりランドモトクロス”として高圧鉄塔を中心にした造成中の場所の写真が掲載されている。
また94年講談社刊”テレビマガジンヒーローグラフィックライブラリー②”「仮面ライダー」ではこのコースを本田モトクロス場、もうひとつをよみうりらんどモトクロスと紹介している。
2005年講談社刊オフィシャルファイルマガジン”仮面ライダー特別版「ショッカー」”では日大のほうを”トミナガオートランド”、もう一方を”よみうりランドサーキット”と紹介している。ここで初めてトミナガオートランドという名が出てきた。
関係者の証言などを元にデータを作ってはいるんだろうが書籍により名称がいくつか異なる。
とは言え大半がこの二つで撮られた事も間違いないだろう。
私自身はなかなか直接関係者にうかがう事も出来ないのでこれらの書籍を元に検証していくしか無い訳だがワンカットづつ見ていくとどちらのコースにも当てはまらない場所や腑に落ちない点がいくつか出てきた。
まずよみうりランドに隣接する南山山中にあったコースは
日本安全運転専門学校の管理するダートコースで、HPによると「多摩サーキット」という名称で間違いないようだ。(映画「仮面ライダー対ショッカー」オープニングや53話等で使用)
そして日大グラウンドにあったコースは13話劇中に看板が映りこんでいる「タマサーキット」という名称だったんだろう。関連書籍に頻繁に「ホンダの」と出てくるのでこちらはホンダが管理していたんだろうか。(13話他)
28話のレースシーン、仮面ライダーV3のオープニング、第9話、仮面ライダーX第12話などに使われている場所はコース内に「トミナガオートランド」の看板、コース内に鉄塔、コースの位置より低い位置に送電線、と先の二つのコースに無い特徴を持ったコースといえる。先述の二つとは別のコース、それこそが「トミナガオートランド」だと言えるのではないだろうか。
EROOYAJI氏が国会図書館で調べたトミナガオートランドの所在地、「稲城市坂浜3125 」(現在その番地は存在しない)は日大グラウンドとは異なる。
映像から見て取れる特長、高台に少し開けた場所があってそこから見下ろす位置にもコースがあり下方へも送電線が通る、遠方に見える高圧鉄塔の配置とその住所などからEROOYAJI氏が辿り着いた場所は稲城市の向陽台の近くで現在は長峰という所。
そこにはなんとコースと関係があるのか「富永農場」という施設がある。(もっとも稲城市には古くからの地元の名士で富永という家系があり市議にも名を連ねている。)当時の航空写真でその辺りを辿っていくとそこにどうやらモトクロスコースらしいと思える道を発見した。どうやらそここそがトミナガオートランド(バイクや車両等の販売をしていた会社のようだがコース名が社名と同一かは不明)と思われる。が、現在は完全に消失し住宅地になっているうえにどうやら宅地化の際に鉄塔の位置が移設されているようで検証が困難となっている。
これらはまだ検証の途中であり確証は無いので何か判り次第また報告したいと思う