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2018年6月21日木曜日

勝どき

宝石店からアタッシュケース片手に出てきた挙動不審な男
ここは勝どき3丁目にある月島第二小学校の北側道路。劇中では道の先の方に白地に赤で「全久」と描かれた看板が見えその手前に「止まれ」の逆三角形の標識が確認出来る。その手前が工事の仮設足場にシートが掛けられているのか道路側に少し膨らんでいるように見えるが小学校のHPに掲載された沿革を見ると校舎西側にあった体育館が昭和47年完成とあるのでライダー撮影時に丁度その工事中だったのだろう。手前のブロック塀越しに見えているのは小学校の当時の校舎だと思われ、車を停めているのは校門か何かで部分的に敷地に入り込んだスペースだったのだろう。
学校沿革より
白い矢印の先が辰三たちのいたあたり。
泥棒二人が乗った車の前にあわや黒い車が飛び出してくる。
この道は勝どき5丁目。当時は片側一車線づつの道だったが現在は環状2号線(2018年現在未開通)が築地側から渡ってきていて大幅に拡張された。
左側に見えている集合住宅は「勝どき農林住宅」、右側の木が茂り門柱が見えているのは「水産庁中央水産研究所」。辰三がのされて倒れこむのが水産庁の研究所前。
車の後方にボンネット消防車が見えるが画面で言う左側、隅田川から繋がる新月島川の浜前水門横に東京消防庁臨港消防署があったが環状線の通過に伴い立ち退きとなっている。
劇中、背後に見えているのが水産庁中央水産研究所。
実際には環状線工事の道の拡幅により敷地がセットバックしている為、実際の研究所敷地の角は下の写真の右側に写る橋脚あたりではないだろうか。まだ橋脚が出来る前(2010年ごろ)にもここを通過していたがその時には環状線の計画を把握しておらずまさかこんな光景に変貌すると思っていなかったので悔やまれるばかりである。
盗品の入ったアタッシュケースがすり替わったことに気づいた二人は相手の車を追う。
この道は先ほどの場所から東へ移動した勝どき3丁目。左側の木製パレットが積まれているのは「日本倉庫」、現在はグリーンホームズ1というマンションが建つ。劇中の画像で白破線が少し道の先から始まっていますが辰三達の車から破線が始まる辺りまでは道が交差していると考えられます。対比写真を見ると現在は中央の破線は無くなりましたがその交差箇所に丁字が描かれているので場所が一致しているのが判るでしょう。
劇中映像では判りにくいですが日本倉庫があった辺りは埋め立て地ゆえの治水か何かの理由で土地に起伏がありました。

ー編集後記ー
勝どき周辺はここ10〜15年ぐらいの間の再開発が激しく、次々に古い下町の風景や倉庫街が壊されタワーマンションが乱立。環状2号線の開通。さらにはオリンピックに向けた都市整備が進んでいます。今回検証したこの僅か数分のシーンで目印にしようとした建物はこの15年で全て姿を消していました。それゆえ(結果的には)コンパクトにまとまった場所だったにもかかわらず特定に時間がかかりやっと辿り着いたという印象です(その場所を何度か通っていたのに!)。今回の特定にあたり幾つかの古い町並みの写真を集めたブログを参考にさせていただきましたが特に流一さんという方がご自分で撮られた写真を元に建物を解説されたブログ「ぼくの近代建築コレクション」が大いに参考になりました。今回私が目印に探した解体済みの建物のほとんどが往時の写真付きで解説されていてこのブログにたどり着けなかったらまたさらに時間が掛かっていたことでしょう。また、ツイッター経由で情報を寄せていただいた勝どきご出身のstgmn69さん、住宅地図等的確な援護射撃を送っていただいたコロンボさんにも感謝いたします。まだまだこの辺りは再開発が進んで昭和の痕跡が薄れていくと思われますが、かろうじて残っている現時点で確認出来た事がせめてもの救いでしょう。欲を言えば建物が残っている時期に見ておきたかったですが… 次記事で同じ勝どき5丁目で撮られた三郎のアパートを解説しますがそちらもなかなか手強い物件でした。お楽しみに。


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