捕らえられた立花レーシングクラブのメンバー達は北峯山の麓へ連行される…
この古く大きな堰堤は講談社オフィシャルファイルマガジンではロケ地不明とされていたが、ここは現在の丹沢湖の三保ダムにあたる場所にあった東京電力田ノ入取水堰。
三保ダムの竣工が1978年なのでこのエピソードやバロムワン16話などの撮影後数年のうちには姿を消したと思われる。
航空写真を遡って見て行くと完全に解体された後、現在の三保ダム本体のロックフィル(岩を積んでフィルター状になっている部分)が作られているのでロケ地が現存しないというより土中に埋まってしまった状態。
堰のあった辺りのロックフィル部分の頂上から同方向を撮影。劇中画像の右後ろに見える山が撮影画像の右下に湖面に頭を出している山の中腹と思われる。後方は権現山か。
すっかり手摺にピントが合ってしまいボケているが下流側で当時のままの部分、左岸側の岩肌が辛うじて一致している。劇中に見えている右岸の山部分は全て掘削され無くなっている。
全くよく判らない対比だが現在のダム本体のロックフィル部分(要は現在は土中)に存在していた為に角度をあわせるとこのようになる。劇中で左後方に見える白い管はこちらもダムに沈んだ旧落合発電所の落水管。
重力式コンクリートダムではないのでこの放水路部分は以前は山だった部分。ダム本体はあくまでも右側に植樹もされている斜面の部分。
三保ダム脇にある現在の田ノ入発電所
丹沢湖記念館に展示してあった往時の航空写真。落合発電所と田ノ入取水堰の位置関係がよく判る。
堰堤全景
この河内川や世附川の上流で何度かロケ(ライダー54話、58話、V3 31話等)が行なわれているが三保ダム建設によって水没し訪れる事が出来なくなってしまった。現地検証はいつか記録的な大干ばつでも起きる時を待ちたいと不謹慎ながら思っている。
なお、この堰堤に関する資料はネット上では極めて乏しく、また国会図書館などにもあまり参考になる物が無かった。まだ未見だが当時の神奈川新聞社編・発行『丹沢湖』(昭和53年)、神奈川県企業庁編・発行『三保ダム建設工事誌』(昭和56年)等が参考になると思われ神奈川県内の一部の図書館では取り扱いがあるようなので興味ある方は是非。