仮面ライダー放送当時、雑誌メディアとして情報発信の軸となっていたテレビマガジンにおいて最終回目前の昭和48年1月号にて組まれた仮面ライダー超デラックス特集!のうちの一企画「もうれつ大特訓!仮面ライダー」。この7Pのうちの2Pでこの時期にしては色の濃いマスクのアトラク用スーツを使って人知れずトレーニングを積むライダーというコンセプトの撮り下ろしヴィジュアルがこの企画以外にほぼ見ないので興味を持ち調べてみた。鳥居や灯篭が写り込んでいる事からどこか神社の境内で撮影されているだろうことは明らかで、当初は本編撮影の合間にロケ先で撮影されたかと新1号編になってからの神社関連が絡むシーン、シーン自体が神社でなくともロケ先周辺に神社のありそうなのところを順に確認していったが見つからず。そもそもアトラク用スーツでのフォトセッションなので本編ロケ地という想定を忘れ、生田スタジオ、もしくは出版社のある音羽周辺の神社の可能性も、と予想し鳥居の際の灯篭、溶岩を用いたと思われる獅子山、文字か何かが刻まれた参道の階段手摺りという条件が揃う神社を探してみたがやはり見つからず…
時折思い出しては探していたのだが結果は変わらない日々が続いていた。そんな先日、サントリーホールで開催される菊池俊輔音楽祭にて藤岡弘、氏がステージで「レッツゴー!!ライダーキック」を披露されると知り会場に向かった。赤坂で地下鉄を降り10分ほどの道すがら、アメリカ大使館の裏、広くはないものの鬱蒼とした木々に石積みの擁壁、合間から覗くと灯篭が見え神社だと認識する。この辺りは起伏に富み通りからは見えなかったが境内に階段がある可能性も…などと考えつつその日は御大の歌う本物の主題歌を堪能した。翌日、早速画像検索してみるとやはり階段が存在、それっぽい溶岩の獅子山も存在する。ネットでは限界があったので確証を得るため現地に向かった…
二の鳥居。鳥居の際に生えたクヌギ、その奥には灯篭の笠も一致する。
荒々しい派手な獅子山の突起の一つ一つも間違いない
境内には付き物の灯篭はシンプルなデザインながら笠から台座までピタリ一致するものはそう多くはない。ただライダーが手刀を入れている木はこの時のライダーチョップが影響して倒れたのか、スチールから想定出来る距離感の場所には生えていなかった。
ライダーが手をかける鉄棒も境内の一部の広場にあるにはあったが年月を考えるとこの手の鉄製遊具は取り替えられていて然りだし実際に段差などに違いが見られる。設置場所においても当時と同じとは異なる可能性も拭えない。スチールにはフェンスらしきシルエットもあるので現在と同じ道路に面した辺りだろう。
東側参道の階段。肝はやはりこの参道階段の手すりだろう。残念ながら原本であるテレマガ48年1月号のオリジナルは所有しないので手元にあるDVD-BOXの特典だったテレビマガジンDVD-BOX増刊号では縮尺収録なので潰れて読み取れなかったが手すりの彫刻は八幡宮などで見かける左三つ巴紋だった。また階段の先に写り込んでいた太鼓橋の欄干も存在。
鳥居の先にある建物は近年立てられた山車の展示場
撮ってきた写真を確認していて気づいたがもう1枚灯篭の台座に足をかけ腕立て伏せするライダーというスチールも存在していた。またいずれ左三つ巴紋の入った御朱印を頂きに再訪した時にでも追加撮影してこよう。
出典:テレビマガジン昭和48年1月号 講談社/毎日放送/東映/石森プロ