昭和のクリスマスのコントのようないでたちのほろ酔いのサラリーマンが夜の駅に降りる。
ここは読売ランド前駅等の生田スタジオ近くの駅だろうと思い幾つかの駅を検証していたがどこも一致せず結論が出せずにいたところ、いつも情報交換をしているLooking for locationのブログ主、MGG氏がホームの幾つかの看板、改札から一瞬映る駅名表示に「きょ…」の文字があることに着目。府中の西武多摩川線競艇場前駅だと見事看破した。
筆者としてもその推理には異論はないところだがこの駅の当時の資料が乏しく新たな確証が得られるよな資料が見つかることを熱望している。
上記の推理を裏付ける決定的な要素が一つある。
それは劇中駅のシーンに続いて映る高架下のシークエンスがそれだ。改札に続くシーンだけに一見鉄道の高架のように思うところだが実のところここは高速道路の下。ただ検証を始めた当初は東名高速の下と誤読し、確証が持てないまま川崎の宿河原付近で似た場所の撮影に行くなどしていたが、MGG氏の駅推理にヒントを得て駅と同日の夜の撮影なら駅から遠く離れていないと考え、駅から最も近い中央高速に絞り検証を始めると橋脚の先にコンクリート板塀(万年塀)がある事を発見。中央道だとすればそれに該当するのは府中競馬場があった。橋脚のピッチや橋桁裏の形状なども見事に一致。検証を進めると「電人ザボーガー」「太陽にほえろ」など他作品での同所使用が確認され、ライダーだけでは確認出来なかった高架下周辺が映り特定に至った。
橋脚の太さが違うのは恐らく阪神大震災以降の橋脚補強工事のためだと思われる。
昼間のシーンだと奥の万年塀がよく見とおせる。
高架下は部分的に競馬場側へ抜けられるよう通路になってはいるが基本的に立ち入れない為、厳密に何本目の橋脚での撮影という特定が難しかったので可能な範囲で何箇所か条件の一致する場所で撮影している。
この部分は天井裏となる橋桁を工事していたのかネットがかけられていたが梁の構造が一致しているのが確認出来た。当時は中央分離帯部分から採光出来るような素材になっていたようだ。
上を通る高速が緩やかに左へカーブしているのが一致する部分。下の側溝は埋められている。
側溝が現存している部分もある。この区画は当時雰囲気を残している。