「娘さんよく聞けよ 山男にゃ惚れるなよ」
林道で山頂を目指す田所兄弟
二人が歩いていたのは奥多摩の氷川にある川苔林道。本来は林業用の細い林道だが、途中に落差40mの名瀑"百尋ノ滝"を見る事が出来る人気のトレッキングコースがある。
林道に沿って流れる川に掛かる”竜王橋"を渡る。
背後に確認出来る橋は先に渡っていた竜王橋ではなく更に上流の細倉橋。ここから滝に向かう登山道へ分岐する。二人が登っていた巨石は変わらずそこにあるが掛けられた小さな橋は現在は無くなっていた。ヒトデ型の足跡を見つける沢にかかった木の橋も恐らくこの辺りにあったのではないかと推察される。
第18話は今まで全編丹沢の水無川で撮影されたと思い込んでいたが、冒頭の林道のシーンは全く別のこの川苔林道で撮られていた事を新たに発見した。
思えば10年以上前にこの冒頭の橋を探して水無川沿いの林道や支流を調べていたものの具体的な場所を見つけられず曖昧にしたままだったが、先日別のロケ地を探して氷川周辺を検索していて偶然この橋にたどり着いた。が、関東へ甚大な被害をもたらした2019年の台風19号で林道の一部が崩落、修復のため通行止めになったままだったのが今年の7月にやっと通行再開になったと知り現地に検証に行ってきた次第である。一応、車両の通行は出来るものの極めて道が細く、加えて傾斜のキツい林道を1、2kmほど登る必要があるので小さめの車を借りて橋に到達。当日の天気は曇りの予報だったが現地に近づくにつれ小雨が降り始めどんよりした空になってしまったが当時の梅雨時(制作No.からすると71年6月頃)に撮影された映像に似た雰囲気の写真が撮れたのではないかと自他ともに認める雨男の自分を慰めている。
林道へは奥多摩駅から日原方面へ向かう日原街道の川乗橋バス停脇にあるこのゲートから入る。チェーンが掛かっているが鍵は無いのでゲートを開けて林道へ。
竜王橋の銘板。橋は当時のままと思われるが擬木の手摺が設けられていた。
こちらもコンクリート擬木の手摺が追加されていた細倉橋の左岸側の銘板。橋を割った先の右岸側から登山道へ入る事が出来る。
川苔山周辺の案内図。この中にはまだ見つけられていないライダーロケ地が埋もれている可能性も…
登山道に幾つかある木の橋。ヒトデ型の足跡をスプレーしたくなる衝動に駆られる。
林道側から見たゲート。登山者は脇から通行する事が出来るが車やバイク、自転車で通る場合はここを開閉する。もちろん開けたら閉めて再度チェーンを掛ける事を忘れずに。
この林道は6、70年代には他作品にも使われていた可能性がある。それらの具体的検証に期待をしている。
出典:仮面ライダー 第18話「化石怪人ヒトデンジャー」毎日放送/東映 1971年7月31日放送