2021年5月30日日曜日

仮面ライダー初戦闘シーン考察

仮面ライダー第1話のメインロケ地である小河内ダムでは天候不順、造形物制作の遅れもあり予定のカット数を撮りきれず後日追加撮影が行われた事が史料から判明している。当ブログでもその一つである蜘蛛男との決戦シーンが多摩川の二ヶ領上河原堰堤で撮られている事を紹介している。
その決戦シーンと同日に行われたライダー初登場から蜘蛛男初戦も生田スタジオ近辺で撮られていたが具体的な場所に関する傍証は得られないままだった。
初登場のファーストカット自体は小河内ダムの湖畔なのだがそれに続く造成地のような場所での戦闘シーンは殆ど周囲が映らず特定が難しいのだ。
先日、別件の調べ物をしていて第1話を見直していてふと気づく事があったので検証してみよう。
ライダー登場前、アジトを脱走した本郷と緑川博士が蜘蛛男に捕らえられ戦闘員に運ばれるシーンを見てもらいたい。博士を運ぶ戦闘員と手前に立っている赤戦闘員の足元はむき出しなった茶色い土だが背後の土手の部分は白い砂の地層が見て取れる。
カットが切り替わり赤戦闘員と蜘蛛男の背後の土手は茶色い土、土手の上は草が生え空が見えるほどの抜けがある。
実はこれとよく似た場所を既に紹介している。一文字ライダー初の変身ポーズをとった場所がそれだ。
その場所には緑川博士が担がれるシーンとよく似た茶色い土の土手の斜面の一部に白い砂の地層が見てとれる。また、土手に向かって右後方には戦闘員の背後のような草の生えた傾斜がある。
左が第1話、右が14話
傾斜を投げられる戦闘員の向こうには柵は建築資材置き場に見られるような仮囲いのような物だろうか。
アングルは異なるがこの場所を少し引いた方向から捉えた映像がこちら、仮面ライダー第29話。砂地と茶色い土の層の土手の脇に鉄板の仮囲いに覆われた場所があるのが確認出来る。
仮面ライダー第5話では土と砂の土手の全景が確認出来る。これを見ると1話の緑川博士が運ばれるシーンで土手の後方に背の高い木が生えていたのと一致する。
土の傾斜の下の平坦になった場所が土手の上と異なり背の低い草に覆われているように見えるが1話の件のシーンで土手を駆け下りたカットでも同様だ。
また5話の本郷のトレーニングシーンでは先の塀も一瞬確認出来る。
偶然一致している、と考えられなくもないがクランクインからしばらくの当時の生田スタジオ作品のロケ地のレパートリーからすると否定する事も出来ないのは事実…
これらを踏まえ現地で対比するとこのようになる。
緑川博士の後方、砂と土の地層の先に背の高い木々。
掘削で露出した土手の上に草の生えた傾斜
草の生えた平坦な土地の先に土の傾斜
転がり落ちる土手の先に仮囲い
平坦な場所から見上げた土手の上
土手から見下ろした草の生えた平坦な場所
以上、これらの事から現時点で筆者の推測ではライダー初戦闘シーンは一文字ライダーが初めて変身ポーズを取った場所と同じだと考える。
もちろんあくまでも推測の一つで別の場所という可能性もあるだろう。異論などあればぜひコメント欄にお寄せいただきたい。
出典:仮面ライダー 第1話「怪奇 蜘蛛男」毎日放送/東映 1971年4月3日放送


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