2020年3月27日金曜日

鳶尾山 #1

新しいサイクロン号完成に祝杯をあげてテスト走行する本郷たちに襲いかかるショッカー
サイクロン号のテスト走行からイカデビル決戦までの68話メインロケ地のこの採石場は厚木市の鳶尾山にあった採石場だった。
ここを発見するに至るまでにはかなりの時間を要した。過去に刊行された関連書籍にはここに触れたものはどこにもなく、ネットでも曖昧な誤情報のみ。筆者とORESAMA氏とでオフ会での会話、SNS上でディスカッション的なやりとりを続けていく中でまずヒントとなったのは67話冒頭のアルプス山中のシーン。ギリザメス初戦も同じ場所だと思われたがそちらはヒントが少なかったがアルプスのシーンでは後方の山塊の稜線が確認出来る。するとORESAMA氏からすらすらと同様の稜線が映る変身忍者嵐の数エピソードがあげられた。回によってはライダー68話と末期のOPに見られる採石場の様子とも一致する。だが、果たしてそれだけで見つけられるだろうか。同時期の生田作品で使われた採石場や山の稜線が映る場所を中心として検索範囲を広げていく。青梅から奥多摩、丹沢、八王子…どこも近似値のような場所はあるが確証を持てない。
この段階では一致していなかったが同様に探していたV3初期OPの採石場においてキャラクター大全 仮面ライダーV3(講談社)の表4いっぱいに掲載された、そのOP撮影時の物と思われる鮮明な特写に写る情報からそこを鳶尾山に在った採石場だという事を突き止めた。また、ORESAMA氏からそこに近い別の採石場が68話に使われたものではないかという意見が出た。早速筆者は現地を確認するも、現在も稼働する採石場だった事もあり50年掘削が進んで70年代とは大きく地形が変わっていて特定が困難だった。そこからしばらく他の場所も含め再考察を続けるが筆者も少しお手伝いさせていただいた仮面ライダー冒険王(秋田書店)の中にV3OP撮影時のものと思われる1枚の特写に気づく。それは採石場を行くハリケーン、そのはるか後方にはライダ−67話や嵐と一致する稜線が。もしかしてV3OP=68話ロケ地だったのでは?68話の採石場の特徴を鳶尾山の採石場に当てはめていくと見事に一致するではないか。V3OPと68話でよく似た採石場の坂をバイクで駆け上がるというシーンがあるが雰囲気は似ているが同じとするには何かが違った。大きく違うのはV3OPで確認出来る坂沿いを含め採石作業区画と場内通路を隔てるために木杭を鉄線で繋いだ柵の有無。ただそれだけだが有ると無いではかなり雰囲気が違う。改めて採石場の航空写真を年代を追って確認すると白黒で不鮮明な写真ながら71年で蛇行していた場内通路が72年で直線的に補正されている。おそらくその段階で木杭が打たれたのではないだろうか。68話が木杭を打つ直前、V3は木杭を打って直ぐと言った具合。キャラクター大全の表4の写真を見ると木杭は新しいように見えてその推察を肯定するに足ると思えた。
葉の落ちる冬場を待ち現地を訪問、とは言っても放棄されて40年以上が経ち既に森に覆われているので間違いないと確認出来たのは山頂近くから西を向いた時に見える丹沢山塊の稜線のみ、採石場内はほぼ藪の中だった。しかし、現地に立った感慨は何ものにも代え難かった。

改めて検証していくとしよう。以前にも書いたが高度経済成長期の建設需要の高まりに乱獲された川砂利に変わって山砂利採掘にシフトしていった時期にここも70年頃に掘削が始まったようだが周辺の公園開発と相まって掘削により山に亀裂が入るなどして72年6月に市側が公園開発を断念、それに合わせてここも掘削を終えたのではないだろうか。それを裏付けるように国土地理院の過去の航空写真を年代毎に追っていくと72年(白黒)から75年(カラー)の間ではあまり変化が見られない。その後は選別用のベルトコンベアが解体され徐々に緑に飲まれていくのが分かる。90年代に中腹の平坦な部分を野球場に使用していたようだがそれも長くなかった。現在は鳶尾山ハイキングコースと一部面しているがほとんどが藪に覆われ立ち入ることも難しい。野球場だったあたりにバックネットとベンチなどの残存物がある程度で採石場だった名残はほとんどない。

新サイクロン号の納車に乾杯する3人
ここは山頂近くで平らになったエリアの南側部分。現在の鳶尾山ハイキングコースと重なる辺りでほぼ当時の地形を残しているがご覧のように冬場でも藪が凄く、立ち入る事が出来ない。
本郷はそのまま北向きに走り出す。
上の同じ場所でそのまま反対を向いている右側の土手はハイキングコースになっている部分で現存しているのだが藤兵衛たちがいるエリアまで入れなかった為、本郷がいる辺りで撮影しているので土手が見切れてしまっている。
岩の合間を縫って走ってくる本郷
カットが変わってここは恐らく先のカットの場所の奥から走ってくるのを少し角度を撮っているように推察している。草に埋もれているが周囲に盛られた岩は月日が経って馴染んではいるもののある程度残っていて確認出来る。
大きく削られた山の前を走ってくる本郷。対比の写真もやはり藪が凄く立ち入る事が出来ないのと入ったとしても見通して撮影出来ない為、キャプチャで本郷が走っている辺り、ちょうど山の起伏が始まる辺りである。走り抜ける瞬間に映ったトラックの荷台は残っていなかった。
次なるカットは変身後に斜面になった採石場の脇を東西に通る通路を真ん中辺りから一気に駆け上がる。この通りは部分的に舗装されていたりするので道として残っている。とは言っても周囲は藪で見通せない。現地で写真撮るときは肉眼である程度確認出来るのでイメージしているつもりだが後でデータを見るとほぼ草しか写っていなかったりする。
変身前にも映った削られた山の斜面の前を先ほどとは逆方向に駆け上がる。
再度カットが変わってまた斜面を駆け上がるが今度は先ほどより更に下方、注目すべきは採石場のもっとも下に設置されている仕分け用のベルトコンベヤーの先端が写り込む。設備は現存はしていないがこの走行シーン以外で仮面ライダーX第9、10話ではXライダーが技の特訓をする際に全体が映し出される。
V3OPでもこのベルトコンベヤーの先を確認する事が出来る。
ジャンプしてもう一度駆け上がるカット。これは中腹あたりのカメラ位置で登っていくのを後ろから捉えている。進行方向には再び削られた山の斜面、対比画像では野球場の柱とネットが残っているのが分かるだろうか。
次は後期のオープニングで印象的な崖をバックに走ってくるシーン。ご覧の有様である。一応サイクロンが走ってくる同じルートも歩いてみたがほぼ人が踏み入っていない獣道がかすかにあるような濃い藪に埋もれている。対比の写真も何枚か撮ったものの何を撮ったかわからないような写真ばかりだった。
続いて先ほど駆け上がった脇の道を一気に駆け下りる。
パラシュートを展開して減速するサイクロン
ここは削られた斜面の山の前。ダンプの荷台も映る。

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